リンパ腫

　悪性リンパ腫の生存率は、とホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫では大きく異なります。ホジキンリンパ腫は予後が良好なので、高い生存率になります。悪性リンパ腫はステージが4つの段階に分かれますが、ホジキンリンパ腫におけるステージⅠ期での5年生存率は約90％といわれ、Ⅱ期が80％、Ⅲ期が50～80％、Ⅳ期の５年生存率でも40％～65％という数字が表れており、全体では平均80％と高い結果となっています。この場合、たとえ癌が進行してしまっていたとしても、速やかに治療を開始することによって高い生存率を保てることができます。

　一方、非ホジキンリンパ腫では、その種類や悪性度により予後の善し悪しが変わるため、生存率も様々であり、一概には言えません。ここでは軽度悪性群の非ホジキンリンパ腫と中等度あるいは高度悪性群の非ホジキンリンパ腫を比較しますが、いずれのステージⅠ期とⅡ期も５年生存率は約70～90％ですが、ステージⅢ、Ⅳ期となると前者は約50～70％、後者は約40～50％という具合です。しかし、リンパ腫の場合、悪性度の高いほうが治療に対する感受性が高いため、後者のほうが治療をしやすいということになります。

　悪性で進行が速いものと、低悪性で進行の遅いものを比べると、5年生存率では後者が大きいですが、10年生存率で比較すると前者が逆転するという報告も出ています。日本人に最も多い「び慢性大細胞性B細胞性リンパ腫」は中等度の悪性群で治療によく反応するため、また化学医療の進歩により固形癌に比べ5年生存率は良好といえます。