リンパ腫

　犬のリンパ腫の種類をあげると、多中心型、胸腺型、皮膚型、消化器型があります。このうち多中心型が全症状の約8割を占めています。

　症状としては、多中心型は下あごのや脇の下、股の内側などの体の表面のリンパ節が腫れあがり、食欲低下や元気がなくなります。症状が進むにつれ、体の動きが鈍くなり、嘔吐や下痢、免疫の低下から様々な疾病を併発する恐れがあります。胸腺型は呼吸の異常や咳やチアノーゼ、皮膚型は皮膚に腫瘍が現れ、出来物や脱毛などが起こります。消化器型は消化管のリンパ組織やリンパ節に腫れが見られ、下痢や嘔吐、食欲不振が起こります。

　犬のリンパ腫はリンパ節、特にあごの下のリンパ節に多くみられ、体中のいたるところに存在するリンパ節に発生します。その他に胃や腸、肝臓に秘蔵、また骨髄や神経系、鼻孔、腎臓のような一般的ではないところに発症するケースもあります。非常に攻撃的なガンで急速に内臓に影響を与え、放置したままにすると、8週間以内に死に至ります。

　悪性リンパ腫を疑った場合、まずは腫れているリンパ節から組織の一部を取り出し、病理検査や血液検査、生検、X線や超音波検査を組み合わせて診断をしていきます。診断後、悪性リンパ腫と確定した場合は主に免疫剤や抗がん剤などを併用した化学治療が施されますが、部位によっては外科的な摘出処置も施されます。

　原因は不明であり、好発犬はゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ボクサー、バセット・ハウンド、セント・バーナードなどがリンパ腫になりやすい傾向にあります。

　早期発見・早期治療が重要であり、日頃からボディチェックを行うなどの心がけが必要となってきます。